セルフスタンドのスタッフは何を監視しインカムで何を話しているのか

ガソリンスタンド

セルフスタンドでは、お客さん自身が装置を操作し給油も行います。

スタッフは遠くから見守っているだけで、問題や問い合わせなどが発生しない限り出番はありません。

なので、給油エリアでスタッフの姿を見る機会は少ないと思います。

 

ただ、たまに見るセルフスタンドのスタッフはたいていインカムをつけてたり、トランシーバーを持ってたりします。

彼らは一体誰と何を交信しているのでしょうか?

今回スタンドマンの私がその疑問にお答えします。

 

結論から言うと、大半は業務連絡でたまに雑談もアリ、です。

詳しくは本文をお読みください。

 

給油中あなたは監視されている

ガソリンスタンドでは、給油レーンはもちろん敷地内にある多くの監視カメラが稼働しており、
建物の中にいるスタッフが常時監視業務を行っています。

また、外にいるスタッフも給油中のお客さん・クルマを監視しています。

 

では、いったい何をそんなに監視しているのかと言うと…

「お客さんが事故や火災につながるような禁止行為・危険行為をしていないか」

です。

 

これは、ガソリン・軽油・灯油が引火性のある液体であり、消防法で「第4類危険物」に指定されているからです。

中でもガソリンは特に引火性が高く、衣類で起きる静電気で着火することもあるほど。

だからこそ、数多くのカメラと複数の監視要員を配置してスタンド内の安全を担保しているのです。

 

そして、監視業務は建物の中と外、つまりカメラで監視するスタッフと外にいるスタッフの連携が欠かせません。

そこで、スタッフは常にインカムを装着しているというわけです。

給油許可しないと油は出ない

カメラで監視しているスタッフは、ただ見ているだけではありません。

セルフスタンドは、お客さんが装置の設定を行いノズルを給油口に差しただけでは給油は始まらず、端末上の「給油許可ボタン」をスタッフが押して初めてノズルから油が出るようになっています。

 

これは、1台1台の車両、1人1人のお客さんの安全を個別に確認した上で、給油を開始するよう消防法で定められているからです。

ノズルを給油口に差し込んでから給油が開始されるまでにタイムラグがあるのはこのためです。

 

監視カメラからの映像で車両やお客さんに安全上問題があると判断された場合は、インカムを通じて外のスタッフに連絡がいき、安全が確認されるまで給油許可は保留されます。

禁止行為・危険行為をしていないか

では、安全上問題があると判断され給油許可が保留されるのには、どのようなケースがあるのか、具体例を挙げて説明します。

火気の使用

先述の通り、ガソリンはとても引火性の高い液体です。

そして、引火したときの爆発力は凄まじいものがあります。

それゆえ給油エリアは火気厳禁であり、スタッフは常に神経をとがらせています。

 

以前、実際にあった出来事です。

カメラで監視しているスタッフから外にいる私にインカムで

「お客さんがくわえタバコで給油しているように見える」

との連絡がありました。

 

もし事実であれば、べーパー(揮発したガソリン)に引火・炎上しかねない非常に危険な行為です。

そこで慌てて「お客様、それは…」と大声で叫びながら駆け寄ったのですが…

お客さんは「ん?」という表情。

 

近づいてみると、くわえていたのはタバコではなくなんとアイスの棒(笑)

その後、お客さんとふたりで苦笑いしました。

でもこれ、心臓に悪いので、読者の皆様もアイスの棒をくわえながらの給油はぜひともご遠慮いただきたいです。

子どもの動き

子ども絡みでよくあるパターンが

・親と子どもが一緒にノズルを持って給油しようとする
・子どもがクルマの周囲を走り回る

の2つです。

 

前者を発見した場合は給油許可を保留し、子どもを給油口から遠ざけるよう促します。

給油許可をした後に発見した場合は、給油許可を取り消します(給油が止まります)。

後者の場合は親に注意喚起し、子どもをクルマに乗せてもらいます。

 

ノズルの差し方が甘かったり追加給油を繰り返したりすると、ガソリンが噴き出すことがありますし、万が一引火したら大やけどを負います。

子どもの顔の高さはちょうど給油口の高さと同じくらいなので、大人よりもずっと危険度が高いのです。

また、給油エリアはクルマの往来が激しく、構造上死角が多い危険な場所です。

 

給油のやり方は免許を取ってから覚えれば十分ですし、長旅の疲れは駐車スペースに止めてから癒せばいいのです。

我が子を危険に晒してまでやらせることではありません。

読者の皆様も、給油中はお子様を外には出さず、車内で待機させるようお願いします。

携行缶への給油

携行缶に自ら給油しようとするお客さんが結構います。

これも給油許可できません。

消防法上、セルフスタンドであっても携行缶への給油はスタッフが行わなければならないからです。

 

理由は、

・携行缶への給油は1日/1人当たりの上限量が決められている
・携行缶の安全性チェック(ゴムパッキンの劣化等がないか)
・車両への給油よりも引火の危険性が高い
・記録義務がある(お客さんの名前・住所・使用目的など)

などです。

 

携行缶を物陰に隠してコソコソ給油しようとする人もいますが、監視カメラで丸見えです。

誤給油

誤給油とは、油種を間違えて給油することです。

たとえば、レギュラー指定の軽自動車に軽油を入れてしまうといった事例が挙げられます。

 

この点、軽自動車にディーゼルエンジン搭載車はないので、カメラで監視しているスタッフが気付きやすいです。

しかし、普通車だと同じ車種でもレギュラーと軽油両方の設定のあるクルマもあるため、すべての誤給油を発見できるわけではありません。

 

誤給油をした場合、火災等の危険はありませんが、エンジン内部に誤給油した油種が入った時点でエンジンが停止し、クルマが動かなくなります。

その他

他にも、

・トランクにポリタンクを積んだまま灯油を給油(OKな地域もあり)
・積載車に載せたクルマ・バイク・ジェットスキー等への給油
・立ち入り禁止エリアへの立ち入り、駐車禁止エリアでの駐車
・備品の持ち去り

などがあります。

たまには雑談もあり

上記のような禁止行為・危険行為に関するもののほか、

・お客さんからの問い合わせ
・油こぼれ
・レシート用紙切れ
・装置異常
・忘れ物、落とし物

などがあれば、インカムを使ってスタッフ同士で連絡を取り合い、必要な措置を取ります。

 

また、比較的ヒマな平日の昼間などには、

・レアなクルマが入庫した
・変なお客さんがいた

といった内容で盛り上がることもあります。

とはいえ、9割以上は業務連絡ですね。

 

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