ガソリンはセルフで入れてるけど、灯油はホームセンターや巡回車で買ってるという人が意外と多いようです。
理由は「面倒臭そう」「難しそう」「重い」「車内に灯油のニオイがするのが嫌」などが考えられます。
たしかに、セルフスタンドでこぼしたり噴き出したりする人はガソリンよりも灯油の方が多いように思います。
そういう意味で、給油の難易度は灯油の方がやや上と言えるかもしれません。
しかし、ちょっとしたコツや注意点を知っていれば、セルフ灯油は恐るるに足らずです。
今回は、初めてセルフ灯油を買いに行く人のために、持参すべきものや給油の注意点などについて解説します。
この記事でしっかりとポイントを押さえて安全に給油してください。
セルフ灯油とは
セルフ灯油とは、お客さん自身が給油する灯油の販売形態です。
セルフ式のガソリンスタンドに設置されています。
給油のやり方は
「設定・決済」→「給油」
と、基本的にセルフのガソリン・軽油と同じです。
メリットは、店員が給油する販売形態(フルサービスのスタンド、ホームセンター、巡回販売車など)と比べて価格が安いことです。
逆にデメリットとして、慣れていないとこぼしたり噴き出したりすることがあるという点が挙げられます。
持って行くもの
ポリタンク
灯油を入れるポリタンクは当然ながら必携です。
18リットル入りで赤い縦長のものが最もポピュラーです。
値段は1缶600円前後で、ホームセンターや冬場はスーパーでも売られています。
必ず「灯油用」のものを購入してください。
なお、ストーブやファンヒーターにセットする灯油タンクは「運搬用の容器ではない」という理由で給油を拒否されます。
自宅で1回分の給油(ポンプでの移しかえ)をしなくて済むということで、頭のいい方は灯油タンクに直接給油することを思いつくようですが、残念ながら法令上NGです。
手袋
たとえ給油中に灯油をこぼさなくても、給油ノズルを握るときやポリタンクのフタを開閉するときなどに手に少量の灯油がつくことがあります。
ニトリル手袋などを用意しておくと手を汚さずにすみます。
ウエス
灯油が手についたりこぼしてしまったときなどに、使い捨てのウエスや雑巾があると便利です。
その他(袋、台車など)
ポリタンクを大きなビニール袋に入れる人は自分であらかじめ用意していきましょう。
袋をタダでくれるスタンドは今は少なくなってきています。
あと、駐車場から自宅まで距離がある人は台車があると楽に運べます。
折り畳み式の軽い台車でもポリタンク2つを同時に運べて便利です。
事前チェックポイント
昨シーズンの灯油残りがないか
ポリタンクの中に昨シーズンの灯油の残りが入っていませんか?
夏の暑さで灯油は劣化します。
劣化した灯油はファンヒーターやストーブの故障の原因になるので、処分してから新しい灯油を給油するようにしましょう。
廃油タンクがあるガソリンスタンドなら、お願いすればタダで処分してくれます。
ポリタンクの製造年とダメージの有無
ポリタンクは丈夫そうに見えてれっきとした消耗品です。
経年劣化によって徐々に硬化し、いずれヒビが入ったり割れたりします。
寿命は「5年」というのが一般的です。
ポリタンクの側面に製造年が刻印されているので、製造後5年以内であることを確認するとともに、ヒビや割れがないか外観をぐるっと一回りチェックしましょう。
ポリタンクが割れて灯油をぶちまけるお客さんが毎年必ず何人かいます。
給油中には気付かずに、帰宅中に車内でじわじわと漏れていた、なんてことになったら最悪です。
車のカーペットに灯油が付着すると、シミもニオイもなかなか取れないからです。
面倒臭がらずに事前にチェックしてから出かけましょう。
もし5年以上経過していたり、ヒビや割れが見つかった場合は廃棄してください。
捨て方は自治体によって異なります。 お住まいの自治体のHPなどで確認をお願いします。
給油方法、コツ、注意点
ポリタンクの容量確認・設定
一番シンプルなのが一缶買いです。
ポリタンク側面の容量表示を確認して、18Lなら18Lと設定します。
複数のポリタンクに給油する場合はその合計を設定します。 18Lが3缶なら54Lですね。
一度に設定できる最大容量は100Lです。 満タン設定にしても100Lに達すると給油が自動停止します。
なので、6缶以上買う場合は一度給油を終えた後、再度設定が必要となります。
給油
ポリタンクのキャップを開けてノズルを差し込み、給油を開始します。
グリップの握り方で流量をコントロールできます。
強く握るとかなり勢いよく出ますので、慣れないうちは緩めに握ってください。
液面にノズルの先端が触れると自動給油するので、ノズルを深く差していると途中で止まってしまいます。
液面が上がってきたら、それに合わせてノズルの差し込みも浅くしていきます。
「最初は深く、徐々に浅く」です。
複数のポリタンクに給油するときは、給油数量(メーター)を見ながらノズルを次のポリタンクに移動させる必要があります。
たとえば18Lのポリタンクが3缶・54Lの設定であれば、
①1缶目の給油を開始
②メーターが18L前後になったところでノズルのグリップをOFF
③次の空のポリタンクにノズルを入れて再びグリップを握る
④メーターが36L前後になったところでノズルのグリップをOFF
⑤最後の空のポリタンクにノズルを入れて再びグリップを握る
⑥54Lに達した時点で自動停止
という手順です。
なお、満タンに設定した場合、ノズルを給油機に戻した時点で給油終了となります。
給油が終わったらキャップを確実に閉めてください。
コツ・注意点
給油中にこぼしたり吹いたりする原因としては、
・グリップの握り方が強すぎる(常に全開)
・ノズルの先端を液面に近づけすぎる
・メーターばかり見てしまいポリタンクの口からノズルが外れる
・複数缶に給油する際にグリップを握ったままノズルを次の缶に移動させる
こういったことが多いように見受けられます。
なので、慣れるまでの間は、
・グリップをあまり強く握らない
・やばいと思ったら握りを緩めるかOFF
・意識的にノズル先端と液面との間の距離を置くようにする
・メーターとノズル先端(ポリタンクの中)を交互に見る
・自信がない人は複数缶に給油する場合でも1缶分づつ設定・給油する
これらのことを心がけると、漏れたり吹いたりすることを防ぐことができます。
また、18L入りのポリタンクだからといって、必ず18L給油しなければならないわけではありません。
特に女性や高齢者にとって満タンのポリタンクは重く、運搬に苦労することもあるでしょう。
10Lや12Lなど、無理なく運搬できる量に抑えるというのも一つのやり方です。
なお、灯油の比重は0.8なので1Lの重量は800gです。
こぼしてしまったら
もしも給油中に灯油をこぼしたり噴き出してしまったら、迷わず店員さんを呼びましょう。
ウエスを持ってサポートに来てくれるはずです。
実は、ガソリンや灯油を噴きこぼしたお客さんの中で、スタッフに連絡してきてくれる人はほんのわずか。 20人に1人くらいです。
ほとんどのお客さんはそのまま帰ってしまうんですね。
おそらく「誰も見てないからいいや、逃げろ~」という心理状態なんだろうと思います。
しかし、実際には給油中の行動はすべてカメラで監視されています。
こうした無責任な行動は大人として恥ずかしいですし、何よりこぼれた灯油が付いたままのポリタンクを車に積むと、先述の通りカーペットに灯油が染み込んでシミやニオイが取れなくなります。
スタッフに連絡しサポートを受けることは、お客さん自身のためでもあるのです。
こぼしたからといってスタッフは怒ったりしないですから(笑)、遠慮なくインターホンで呼んでくださいね。
最後に
初めてやることは何事も不安や緊張が付きものです。
手順通りに、ゆっくりと落ち着いて給油してみましょう。
複数缶に給油する場合でも、最初は1缶づつ設定・給油することをおすすめします。
そして、実際に給油してみて気付いたことや感想などがあれば、コメント欄に書き込んでもらえると嬉しいです。
質問も歓迎します。
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